気侭Audio

書斎でのオーディオの記録と記憶

次期主力機選定の儀。

さて、新しいプレイヤーを導入しようと決心した経緯は前回のブログに書いた通りですが、入れ替える決心をする前から使ってみたい、興味があるプレイヤーはいくつもありました。例えば同じリニアトラッキングのプレイヤーGoldmund StudioやStudietto 。デザインは全くもって自分好みでしたが、Studio は結構筐体が大きくそしてSudietto両方ともにフローティング構造で結構フワフワするので残念ながら却下、ROKSANの初代XERXESもデザインが好きで一度使ってみたかったのですが、このモデルはもうだいぶ古いモデルであの特徴的なスリットが歪んで使用には難しいようでやはり却下。その他にも色々と候補はあったのですが、今のラインナップを崩してまで導入しようと思うほどには至らず現在まできておりました。そして今回新しく迎え入れようと決めたプレイヤーはSTSTというメーカーのMOTUS Ⅱ DQというモデル。

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(画像は輸入元のエレクトリから)

何故にこれかと申しますと、このプレイヤーまずは見た目が好み。シンプルでストレートでスイッチ一つ見えないストイックなデザイン、ウッドキャビネットながらトッププレートがブラックと言うのもあって簡潔でシャープなイメージで好みのデザインです。実は起動スイッチは本体底盤の真ん中あたりに隠されていて、そのレイアウトも洒落てて良いなと思ったところです。

カニズムに関してはシンプルな外観とは裏腹にダイレクトドライブでなんとフローティングサスペンション、この組み合わせの方式は今まで一部その様なタイプもあった様ですが自分では使った事がなく未聴のメカニズム。

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(画像はネットから)

フローティングは3点支持で各スプリングのテンションや高さ位置の調整も可能。面白いのはカートリッジ含めたアームとプラッターの重量バランスをセンターに持っていくための調整式カウンターウエイトが付いていることです。これはフローティングの調整においてなかなか理にかなったアイデアだと思いました。

アームの方はスタティックバランスのジンバルサポートとこちらは一般的ですが、カーボンパイプのアームとスクエアでエッジの効いたジンバルサポートのデザインがこれも好みでいい感じだなと思いました。アームベースも簡単に交換可能な作りなのでアームの交換なども楽しめそうです。

今まで使用してきたGarrard 401、ROKSAN RADIUS、Nottingham Spacedack、SOTA Star Sapphire、Pink Triangle そして現状のWell tempered SuperとIMMEDIA / Eminent ET2 それぞれに個性的なプレイヤーでしたが、そのどれとも違うメカニズムに興味があってこのプレイヤーなら新しい何かが感じられるかなと思いこれに決めました。

実はこのプレイヤー日本に輸入し始めの頃、オーディオショーで一度見た事あったのですが、それっきり実機を見た事が無く、できれば今一度じっくり見る事が出来ないかとネット上を捜索しますが、なかなか発見できず・・・・ならばとBoxerを購入したオーディショップさんに実機を見ること出来ませんかと聞くとなんとエレクトリから取り寄せて試聴出来ますよとのこと。気持ち的にはもう決めていますがやはり実機を見てみたいと言うことでお願いすることに。

数日後お店に納入されたと聞いて直近の休みの日に伺うとMotous IIはそこにありました。

カートリッジはEMTの物が付いていて準備万端早速試聴と言うかまずは動き等の確認。最初にこのプレイヤーのキモの一つフローティングの具合を確かめます。

プラッターを軽く押すと、確かにフローティングならではのフワフワとした感触がありますが今まで触ったことのあるフローティングタイプのプレイヤーと違いダンピングのある感触です。横方向にも同じ感じで動きはあるのですが制動が効いていて2〜3回のフラつきで収束している感じ、これは使いやすそうです。

実は以前使ったSOTAは特にでしたがこのレコード掛け替えやアーム操作時のフワフワ感が自分はあまり好みでなく、最後に使ったPink Triangle でも音は良い感じだったのですがやはりこのフワフワが結局は我慢できず使わなくなったのでした。

それに比べるとMotous IIはプラッターの重量とサスペンションのバランスが良いのか柔らかい中に芯があってこれならいけそうと思いました。

何枚かレコードを掛けさせてもらって音的にはもちろん自宅に組み入れてみないとわかりませんが基本違和感なし、プラッターの回転の安定度をスタートからストロボで確認して必要な回転数に達する時間も特に遅いとかの違和感無し、その後プラッターを取り外してアームを外し、キャビネットを外して内部構造を見せてもらって試聴は終了。

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(画像はグロスフィニッシュメイプル/カーボントップの試聴機)

それにしてもなかなか面白いプレイヤーです、プラッターの素材がPOMだと知っていましたが、アームベースはもとよりセンタースピンドルもPOM、そしてトーンアームの指掛けまでとPOM材で徹底してます。そしてダイレクトドライブなのにと言うかよくわからないのですが演奏終わってレコード掛け替えするためにスイッチを切ってもプラッターはずっとしばらく回ったまま、ベルトドライブではベルトの抵抗で少しの時間で回転が止まりますがこのプレイヤーはそのままです。感じでいうとベルトを付けずに回っているプラッターの感じ。まあ、手を添えると止まるのですが、その回転具合がなんともストレスフリーな感じで気持ち良いです。

もう、実物見る前から決めておりましたが改めて最後に仕様など相談ということで注文お願いしてとりあえず発注は完了。次は細かい仕様の打ち合わせです。