気侭Audio

書斎でのオーディオの記録と記憶

ECC803S

初心者ながら色々と真空管交換していくうちにECC83の方は現時点ではTESLAのE83CCが自分の好みだと思い、ECC83の部分はこちらで行こうと決めました。

それなら安心のため予備の球を探そうと色々と調べると、それのローノイズ菅ECC803Sという物があるというのを知りました。さっきまでE83CCで行こうと言っていたのにそうなるとそれがどんな物か気になって仕方がありません。またぞろネット上で探しますと同じTESLAのECC803Sをebayにて発見、取り敢えずフォノイコライザー 用にと一本だけ購入してみました。

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到着した物がこちら。同じTESLAのE83CCと見比べるとプレートの長さが全然長いです。そしてピンのメッキがプラチナメッキ?ニッケルメッキと違い、白っぽく何とも綺麗なメッキが掛かっています。早速取り付けて試聴してみます。

ローノイズ管ということなのでまずはボリュームを最大まで上げてみて残留ノイズをチェックしたところ前より明らかにノイズが少ないです。これはかなり期待できそうと何枚かレコードを聴くと、尖ったところや鈍った所のない何とも自然な感じでとてもいいです。

こうなるとラインアンプのE83CCもこれに変えたくなってきますが、それは先の楽しみに取っておいて、まずはこの組み合わせでしばらく楽しもうと思います。

 

 

真空管。

せっかく真空管を使ったアンプを手に入れたのだからやはりやってみたくなるのは真空管の交換。

最初についていた真空管はEiの12AT7とSOVTEKの組み合わせ、これを基準にどう変わって行くのか楽しくなるか苦行になるか踏み出してみました。

さて、交換しようと思っても全くの素人なのでネットで検索などしても有名TelefunkenやMullardは評価が良いようですが、良い良いというのを最初に試すのもあんまり楽しくなさそうなので(笑)とりあえず秋葉原真空管屋に行ってみる事にしました。

そこでプリアンプの真空管でフォノも使うと相談すると、取り敢えずフォノの部分だけで試してみたらと進められたのがこちら。

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RCAの12AT7WAとAmperexの5751の組み合わせ。最初は東芝を進められたのですが、舶来好きなのでそれは・・・・と言うとこちらを勧められました。
5751の方はAmperexブランドだけど製造はRCAという事で良いのではないかという事で

取り敢えず購入。

早速交換してみたところ、なんか少しバックグラウンドノイズが増えた?そしてノイズの質が違います。まあ新品だから落ち着くまでしばらくは掛かるだろうと一週間ほど使ってみましたが、やはりイマイチピンときません、ちょっと厚ぼったい感じというか空気感が無いというか好みではありません。

なるほど結構変わるものなのだなと納得して元に戻し、また一から探索。

で、次に手に入れたのはこちら。

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 今も結構出回っている軍用のPhilips ECG JAN 12AT7WC
値段も手頃なのでつい買ってしまって試したところあまり変化無し。
でも、悪くはなってない感じなので予備には良いかと取り敢えず保管しておく事にしました。

その後も自分なりに色々調べてこれはと思ったのは旧チェコスロバキア産のTESLA。

まずはECC83をと思いウクライナのセラーからE83CCの金メッキピンを購入。

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偽物があるらしいTESLA、あまり画像などの情報が少ないセラーだったので一抹の不安がありましたが到着したものは本物のようで、このようなプリントもされており良い品物のようです。

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軍物の印、交差剣マーク付きです。此処からは計6本のE83CCを購入しましたが、何本かはこのプリントが残っていました。実はこのE83CC、コロナ禍で到着まで一ヶ月以上かかって気が気でなかったです。結構高価だったので本当ホッとしました。
そしてその間にペアになるECC81としてこちらも購入。

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同じく東欧圏のハンガリー製TUNGSRAMのECC81をこちらは日本の販売店から購入。

購入したのはE83CCの方が先でしたが、一向に来ないので先にこちらだけでもとフォノとラインステージの3本を交換。印象はそれほど変わりなく悪くありません。

そう考えると初めについていたEiの方も良かったのかと改めて純正の良さも再確認。

そしてやっと到着したTESLA E83CCは念のため真空管テスターを持っているお友達に頼んで測定してもらいました。結果大体ペアマッチしていて各真空管にほぼばらつきも無く使えそうなことが分かって安心して組み込みました。

これで真空管は全て東欧製のビンテージになって数日慣らしも終わったその音は前と比べると高域の伸びがありかつ自然で結構好みな感じです。

その後デバイダーを少し弄って更に良い感じになって来て、取り敢えず真空管の交換は上手くいったかなと。

でも、探してみると色々な真空管があってまだまだ真空管探しは続きそうです。

 

実験くん

プリアンプの変更が落ち着いてきたところで前から少し気になっていたパワーアンプの電源関係を見直すために少し実験をしてみました。
現在使用中のQSC PLD4.2はユニバーサル電源で100〜220Vの電圧で使用可能なのでせっかくなら200Vで使うか、それともアイソレーショントランスを使って200Vから100Vにして、いや、それなら200Vのままアイソレーションというのも可能かと色々と考えているのですが、そうなるとトランスの容量はどれぐらい必要なのだろうか?と思いまして、使う電力の3倍ぐらいは必要というのを以前見聞していたので、さてうちのパワーアンプの消費電量はどれぐらいだろうと調べてみることにしました。
あくまで目安なので簡易的で良いだろうと市販の電力量表示器をパワーアンプに繋いでみました。まず音が出ていない状態での消費電力がこちら。

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48W たったの48Wです。ふーん、D級だしそんなものかととりあえず確認。
そして音を出し始め、普段聴いているくらいの音量で鳴らした音量と消費電力がこちら。

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なんと49Wでほとんど変化無し、ちょっとびっくり。
そしてうちでは大音量だと思うレベルでの再生で測ったのがこちら。

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結構な音量でもたった61W、3つのアンプでチャンネルデバイダー 込みで2X30cmのウーファーまで駆動してこの消費電力とはなんとエコロジーなのでしょうか。
これなら両チャンネルでも200Wも使わないでしょうからそれこそ1KVAもあれば全然余裕でしょう。それこそ500VAのトランスを二つ使うなんていうのも良いかもしれません。
なかなか面白い結果が出てやって良かった実験でした。

Nagra PL-P その音

一大決心をして入れ替えたプリアンプのNagra PL-P 、最初はDMC-20 S2を置いてあったRilaxaのボードにそのまま設置。

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出力に関してはPL-Pはシングルエンドなのでこちらは以前から使ってるLUNDAHLLL 1582を使ったバランス変換トランスでバランス出力で試聴。

そして出てきた音は・・・・一聴  ”やっちまった”   というぐらい酷くぼんやりした音で、イヤ、これ本当にどうしよう・・・元に戻すか??と思うほどでした。
そうは言ってもイヤまだ分からないとそのまま聴き続けると少しづつ音がほぐれてきた感じで、数時間後には段々とPL-Pの音はこんな感じかという片鱗が見えてきました。

そこから数日間、色々なレコードを聴きながらデバイダーの調整もしてこんな感じかなというところまできての感想。

まず最初に思ったのは今はお休みしているCDプレイヤーMICROMEGA CDf-1を初めて聞いた時に感じた音がゆったり遅く感じつつしっかりした音という感じ。

と言っても何を聞いても全て同じ感じではなく、激しい時は激しいなりに鳴りますし、素っ気なくなる時も有りで、結構表現の幅が広く、聴けば聴くほどいつもの聴き慣れたレコードから新しい発見がある事もあり新鮮な感じです。

そしてスピーカーの存在を感じさせない音というのかとても自然な音でもあります。以前からだいぶんとスピーカーのセッティングも落ち着いてきて、音離れのようなものに関しては気にならなくなっていましたが、PL-Pになってからさらにスピーカーの存在が消えて音だけがそこにある感じが増してきました。

勿論これはソースによってなのでダメなものはダメですが(苦笑)

最後に総体的に感じたのは今までにオーディオ機器で感動したATCのスピーカー、マイクロメガのCDP、ノッティングのスペースデッキなどに似た感じの自分の感覚に違和感ない音です。求めていた音といった感覚でもあります。ただ、ほんの少し柔らか過ぎかなというところも有りますが、これはまだこれからと言ったところでひとまずの印象としては変えて良かったとホッとしました。

 さて、とりあえずの音が分かってくると気になるのはその置き方。
DMC-20を置いてあったリラクサのボードの大きさにに対してせっかくのコンパクトな本体はどうも違和感があり、左右のスペースを広げスッキリするようにしたくてリラクサは外してみて別の方法を考える為にお試しでこんな感じでレイアウト。

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程よい操作感を得るために本体の高さを調整しようと同じぐらいの大きさの本でちょうど良いものがあったのでテスト。
やはり下回りがスッキリしてボリュームなどへのアクセスも自然で高ささ的にはOK。

こんな感じで置けるようベースの材質含めて検討です。

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左右のスペースも余裕あってこんな感じで良いかなと。バランス変換トランスはプラグの交換が必要でアース線もワニ口クリップでやっつけでここは要補修です。
あと気になったのは出力側のケーブル、ちょっと横に張り出してるのが気になるのでこちらも考える必要がありです。

ベースに関しては以前某オーディオ修理工房で見たボードが記憶に残っていて、それを試してみようとボードと言うか置き台といった感じの物を製作をしてみました。

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それはキャストアクリルを使ったブロックにPL-Pを乗せるというもの。やってみるとちょっとやりすぎな気もしますが、まあ作ってしまったもので当分はこれで行こうと思います。で、三様な置き方をして気が付いたのはこのアンプ置き方に結構シビアに反応すること。
音だけで言うと最初のリラクサが最も綺麗でアクリルが硬めというかガサツな感じ、そして本がその中間といったところで、アクリルは失敗かと思いましたが、それは下にフェルトを敷くことでだいぶんと改善され、これならまあ良いかという所まで持っていけました。でも、やはりフローティングされた時の感じには少し及ばない感じがして、これは今後の課題ということでぼちぼち考えようかと思います。

 

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気になった出力側の飛び出したケーブルはスイッチクラフトのL型プラグを使って製作。バッテリーへの給電ケーブルは飛び出したままですが、こちらは交換することが出来ないので仕方なくそのままです。

そして他のケーブルも少し作ってアース線も製作。

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と、まずは最初の踏み出しといった感じでPL-Pとの付き合いが始まりました。
これからまだまだ色々と手を入れる余地もあるのでこれからが楽しみです。

 

Nagra PL-P

で、ターンテーブルが落ち着いたと思ったら

そんな中、またもや一大決心。

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拙宅のプリアンプはSpectral DMC-20 S2 。スペクトラルのプリでフォノモジュールが付いたものとしては最後のモデルとなるアンプ。
前のスピーカーATC SCM100Aを使っていた頃、色々とプリを取り替えた末にこちらに落ち着き、スピーカーがBoxer T2に変わっても不動の存在として鎮座しています。

前にも使ったDMC-12と合わせると本当に長い間Spectralのアンプを使ってきました。ですが、パワーをSpectral DMA-80からQSC PLD4,2に変えて半年近く色々とセッティングやパラメーターを変えて試してみましたがどうしても越えられないものを感じて、次の一手はもうこれしかないと思い、プリアンプを入れ替えることを決心しました。そして選んだのがこちら。

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Nagra PL-P です。
長年使い続けたDMC-20S2に未練というか変える必要があるのか?と何度も悩んだのですが、パワーアンプの変更が後押ししてこの様になりました。

といってもPL-Pに素直に変更されたわけでなく、実は最初は別のアンプを購入しようと考えていました、それはEARの912。フォノ2系統や入力ゲイン設定など使い勝手も良さそうで世間の評判も良く、真空管プリという未知の部分にも惹かれて、購入を考え始めて評判など調べたり、置いてあるお店でも軽く試聴などしてタイミングをみて購入しようと考えたのですが、最後にどうしても一歩踏み出せなかったのがそのデザインでした。

うちの他の機器はどちらかというとクールな感じのデザインで、それが好みで使っているのですが、EARはどちらかというとウォームなデザイン、ノブや特徴的なメーターの針のデザインも有機的でそれはそれで素晴らしいのですが、うちの他の機器に合うかというとちょっと違う様な気がしてどうしても踏ん切りが付かないでいました。

音が良ければデザインは慣れるという考えもありますが、やはりプリアンプは直接コントロールで触れる機械ですので、気に入ったデザインの物を使いたいなと今一度他の機械が無いものかと思っているところに、オークションでConvergent Audio Techinology のSL-1を発見。そう、これも一度使ってみたいと思っていたプリで真空管、デザインも他の機器と違和感ないと思い入札してみることに。ですがオークションということで保証も無いモノに躊躇して今一歩及ばず落札はできませんでした。

そうなるとここはじっくりといくかと他の真空管を使ったプリということで調べますと引っかかったのがこのNagra PL-Pでした。もちろんその存在は知っていてデザインなど格好いいなと思っていましたが、当時は真空管のアンプというのもあって自分で使うなど考えなかったアンプでした。ですが、今回真空管アンプを使ってみようと思うとこれもいいのではないかと調べるとEAR 912の様にインプットレベルコントロールが付いていてメーターを見ながら調整できるし、他のラインのインプットレベルも各調整可能でこちらも助かる装備、サイズもコンパクトでちょうど良さそう、うん、これも候補に考えようと探すととある販売店に売り物を見つけました。状態も良さそうで、価格も過去に販売されていた物の価格よりお手頃で、これならと思い切って購入してしまいました。そして到着したPL-Pをスペクトラルのあった位置にそのまま設置して接続。
出てきた音は・・・・・続く。

Pink Triangle Tunetable レストア記録その2 一応完成

フレームまで出来上がったPink Triangle 、次はサブフレームの塗装です。

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来た時の状態はフレームに当たったり擦れたりして塗装が剥がれた状態で、接着されたブラケットの状態も全然ダメでちょっとこれはそのままにはできず、まずは接着されていたブラケットを外して塗装を落とします。

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再塗装する為仕上げはそこそこで塗装。

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素人塗装なのでアクリルのつや消し黒で塗装しブラケットを接着。サスペンションが入る部分にはセンターリングとダンピング用にゴムのグロメットを装着。

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スピンドルの固定ネジは普通の鉄からチタンに変更。上側のゴムブッシュはここでは装着されていますが、試したところあまり良くなかったので後に取り外しました。

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サスペンションが付いた状態では作業しにくいのでサブテーブル単体でプラッターとトーンアームを乗せて位置の確認。今回アームレスで入手したのでトーンアームは新たに探して入手しました。できるだけ軽量のアームを使ってみたかったのでSMEの3009 s3などが良かったのですがすぐには見つかららず、他に気になっていたこのAudio -technica AT1100を入手。まあまあいい感じで取り付けできました。
カートリッジも手持ちの物が無いのでこちらはとりあえずオルトフォンのOMEGAというMMカートリッジを入手。

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そして一旦サブテーブルのみにしてフレームに取り付けます。この取り付けがスプリングにプラスチックの円盤を挟んでおしまいとまたいい加減で(笑)でも、スプリングのどの位置にこの板を挟むかでプリロードを調整できるという合理的なアイデアで面白いと思います。

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トップボードを取り付ける前にプラッターとトーンアームを仮組みしてバランスを取ってみますが、これがなかなかうまく行きません。もともと同じテンションのスプリングに違う荷重が乗っかる為、横の調整ネジだけの調整ではうまく水平が出ないので先ほどのスプリングに差し込んだ板の位置を変えてプリロードを調節、なんとかいいところまで持っていくことができました。

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そして天板を取り付けトーンアームを装着。ケーブルもサスペンションの動きを阻害しないように製作。

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ちょっと厄介だったベルトの装着もちょっとしたツールを作って簡単にできる様になりました。

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で全部の部品を取り付け空けておいた場所にセッティング。
ベルトを装着してターンテーブルを回転させるとまたバランスが変わったり、レコードを乗せてもバランスが変わる為、何度か底板を外しスプリングのプリロード調整など行いやっと聴けるようになるまで持っていくことが出来ました。

まだまだ完璧とは言えないし、改良ポイントもいくつかあるのでこれで終わりでは有りませんがそれはぼちぼちと楽しみながら行こうと思っています。
それにしても今回このレストア作業をしたことでターンテーブルについて色々と勉強になって、改めてIMMEDIAとWell-tempered の良さを再発見したことも有意義なことでした。

で、また変化が・・・・・・

Pink Triangle Tunetable レストア記録

前回から引き続き進行中のPink Triangle のレストア、フレームと電気系のメンテナンスです。電気系と言っても素人な自分、前のユーザーが行った修理の手直しと使い勝手向上のためのちょっとした事ぐらいがせいぜいですが、少しでも気持ちよく使うために手を入れてみました。

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ターンテーブルを回すモーターはDCモーターで電源は一般的なACアダプターを使用となっています。まずは基盤に付いたコネクターの修理。

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一方向に差し込んで抜けなくなるタイプの物が付いていて補修の跡もあり、それも不良気味なので汎用のコネクターに交換することにします。

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そしてこちらが付属していたACアダプターと基盤までの配線。本体との間のジャックはイヤホンプラグを使用。こちらもあまりに作りが簡素なので両方とも交換。

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一般的なDCジャックに変更して配線も交換。モーター側のコネクターも変更して見た目スッキリ、メンテナンスもやりやすくなります。電解コンデンサーは以前のオーナーにより交換されていますが、こちらも怪しいので交換したいところです。ですがCovid-19の影響で外出も出来ず、通販を利用しようにもこんなコンデンサーだけ買うのも無駄が多いのでここはまた後日ということにして終了。たまたま持っていた手持ちのアナログ電源のACアダプターを繋いでモーターのテストをしました。大きなボリューム状のものは回転の切り替えを兼ねた電源スイッチでその下のボリュームは33,45回転のアジャスト。両方ともに変化するのを確認して取り敢えず作業終了。

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フレームは大きなダメージは無いもののワックスやオイルなどがムラがある状態で塗られているため研摩仕上げすることにしました。

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こちらが研摩後。角がシャープになりスッキリしました。木材の種類は詳しく無いので何かは分からないのですがローズウッドでしょうか?研摩中とても良い香りのする木でした。

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仕上げは今回自然な仕上がりのオイル仕上げにすることにして、ワトコオイルで一度ウエット研摩後、知り合いの家具屋さんオススメのデンマーク製チークオイルで仕上げました。少しマットな仕上がりで満足です。

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サブフレームを釣り下げるサスペンションフレームを組み付けるとこんな感じ。

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裏側から見るとサスペンションの調整する構造が分かると思います。

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分解して初めて解ったのがこのサスペンションの構造。クサビが付いたネジとスプリングの付いた天秤でプラッターの傾きを調整するようになっています。これだとプレイヤー本体を通常の状態に置いた状態で外から調整が出来るので意外と簡単に調整が出来そうで、どんな感じになるか楽しみです。

で、次はサブフレーム他のレストアです。

 

Pink Triangle Turntable

手持ちのオーディオ機器に手を入れることが無くなると、何故かタイミングよく新しい機械が引き寄せられるように手元に来るように思います。

そんな縁なのかやってきたのがこんなターンテーブル

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Pink Triangle Turntableイギリス製の多分80年代半ばの頃のものです。何でこんな物を入手したかというと・・・

うちの2台のターンテーブルはどちらもメカニズムは個性的でデザインも好みでとても気に入っているのですが、どちらも少しだけ弱点があります。それは7inシングルレコードを掛ける時。

Well Tempered の方は33/45回転の変更がベルトの掛け替えで行うのがちょっと面倒でIMMEDIAの方はEminentのアームの問題で最後まで聴くことが難しくちょっと残念なところがありました。

以前からもう一台コンパクトで普通のアームのプレイヤーも一台使ってみたいと思ってLinnのLP12辺りを入手しようとか考えていたのですが、あまりにもメジャー過ぎて、そして最近のはちょっと最初のコンセプトから行き過ぎな感じがして、なんか同じ感じの良いのがないかなと思っていたところ、こちらをオークションで見つけなんかこれ良いかもと安値もあってつい入手してしまいました。

画像はオークション時のもので見た感じ凄く地味な野暮ったい感じです。他の写真もオークション時のものです。

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まあ、全くもって地味でチープな作り、でもプラッターはアクリルだし、ウッドキャビネットも面白そうだし、ダメ元と適当な価格で入札して放置してたら落札となっておりました。

早々に決済を済ませて到着したものを早速点検。

外観はウッドの部分はオイルなのかニスのようなものが塗られあまり綺麗ではなくかなりくたびれた感じ、ダストカバーはヒビが入り(使わないので気にしません)アームボードの穴もなんかいい加減な感じであまりよろしくありません。と言ってもそれは想定内なのでとりあえず電源を繋いでモーターが動くことだけ確認して点検を始めました。

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というか作りが本当にシンプルなのでバラバラにしてしまいました。感じ結構簡素なイギリスっぽいと思う作りの中、色々と凝ったデザインの部分もあり、素材としてちょっと期待が持てそうな感じです。

分解して分かったのは基本的にはLinnなどと同じ三点支持のフローティングタイプですが、スプリングが吊り下げ式でこちらは以前使ったこともあるSOTAと同じコンセプト。ただ、よく考えてあるのはその調整で、フローティングタイプのプレイヤーで面倒な水平バランスを取るのを普段置いてあるポジションで調整可能というのがちょっと考えられているところです。その辺りはまた後でご紹介するとして各パーツの状況。

まずはフローティングプレイヤーの要の部分サブフレーム。

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こちらはなんとアルミハニカムを使用。見た目はあんまり良くありませんが極めて軽量で高剛性、フローティングさせるフレームとしてはもってこいの素材です。外観はかなりくたびれていて塗り直しなどもされているようで要レストアです。分解するとあれやこれや部品を変えたいところもあってまずは部品の手配をしてターンテーブルでもっとも重要なプラッターとスピンドルの点検と整備を始めます。

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プラッターはサンドブラスト仕上げのクリアアクリルでとてもスッキリした清潔感あるデザイン。うっすら見えるグルーブは裏側にあるベルトを掛けるプーリーとモーター軸部分の逃げです。レコードのスピンドルは真鍮でプラッターとはアルミのハウジングを介して繋がっています。

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こちらは一般的なプラッターが軸で受けはフレーム側とは逆のインバーテットタイプになっているスピンドル。ちなみにIMMEDIAもこのタイプです。この構造の場合レコードのサーフェス付近に軸受の支点があるためブレが少ないという利点があります。スピンドルの先端は凄く小さなボールが嵌め込んでありプラッター側の軸受と接する構造。

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軸受はちょっと変わっていてアルミのハウジングは全くスピンドルと接しなく嵌め込んである樹脂の短い部分と先端に埋め込まれたレコード用のスピンドルに付いた多分宝石系(ルビーかサファイヤ)製の軸受と接するという接触面積がとても少ない構造です。

 

 

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ピンボケでうまく見えませんがいくつもの素材を何重に組み合わせた構造がわかります。なかなか凝ったつくりです。

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スピンドルと軸受のはめ合いの精度もかなり良くて、ごく少量のオイルを塗ってスピンドルを入れると押し返されてしまうぐらいの程よいクリアランスです。家にあったいろいろなオイルや量を試して、自分でしっくりいく感じの具合が見つかってとりあえずプラッター周りは完了です。
次は外観上一番気になるフレームと苦手な電気系のレストアです。

 

 

まあぼちぼちと。

最近はアンプが変わったことで細々したことを変更したりして環境を整えるのも落ち着いて来て、本当に細かいところをこそこそっと手を入れていってます。
例えばCDプレイヤーをまたも撤去してほぼアナログのみのセットに変更。

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一時復活したCDプレイヤーでしたが、ちょっと不良な時もあり、また引っ込めてしまいました。その代わりのデジタル系はこんな簡素なセットに。

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ifiのコンパクトDAC 。前にbluetooth接続用に買っておいた機械でBGM用と割り切って今回使用。

そうは言ってもちょっと一捻りでアナログのシングル出力をトランスを使ってバランス変換してプリに。DACをアンプ側に置いたことでデジタルラインがPCから距離があるのでPCからのUSB 出力のD/D変換はこちらを使用。

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中華製FX-AUDIOのUSB D/Dコンバーター、いや、気軽に聴くならこれで充分かと思います。で、その分アナログに集中して細かいところを詰めていきます。

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それの一つがフォノケーブルの交換。以前にFidelix Liricoを試した際、盛大なハム音が出て、ハム音が出たのを消すのにシールドされたと思われるケーブルを使いました。

結果ハム音は小さくなりましたが結局Liricoは使うことが無く、その後元のケーブルに戻しシールド無しのケーブルで問題なく聴けていたのですが、やはりシールドあった方が良いかなと思いたち、試しに片側落しのシールドでケーブルを製作してみました。

まずは最初に以前買っておいて余っていたモガミの同軸ケーブルを使って製作。

結果ほんの少しですが静かになったかなという感じで悪くはありません。でも、なんというかちょっとさっぱりし過ぎて色々聴きこむと違和感が出て来ました。ならばと今度は拙宅定番のカルダスの4X24で同じく片側シールド落とし4本の芯線うち2本のみ使用で製作。

交換して聴いてみるとやはりこちらの方がしっくりきます。あっさりからほんの少し艶のある好みの感じの音で、シールド効果もあるようで少しノイズも減りました。やはりうちではこのケーブルが一番かと改めて確認した結果となりました。

そんな中、アンプの方でちょっと気になる現象が・・・・
それは音は問題なく出ているのですが、一台の方からスタンバイ状態など無音時にたまにバツッという音が出ます。それとこれを感じたのは一度だけなのですが、小さな音でギュルギュルというノイズが出たこともありました。それと電圧表示が同時購入した物と異なり安定しないという症状。
音は問題なく出ているので問題無しとも言えるのですがやはり気になって点検をお願いすることにしました。なのでその間プリをモノラルモードにして聴くしかありません。

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そうすると、なんと面白い事に最近少し出だしてきていたボリュームのガリが発生しなくなりました。これってアンプ側に何か問題があったのか?と点検に出してみて良かったかもととりあえず様子見の状態です。

最後にこれは以前からちょっと気になっていたアンプを固定しているネジの交換。とりあえずラックに付属していたネジを使ってアンプを固定しましたが、ちょっと長さが足りず十分固定されていないのが不安。色も黒で色や仕上げが合わないよなと感じていました。

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そして本体に傷がつくのを防止するのにナイロンワッシャーを噛ませていたのですが、これもちょっとイマイチかなと。今回、アンプを送るのに取り外した時にやはり長さが足りないのを確認してこの際なので交換する事にしました。で、やはりかっこいいのはチタンネジだよなとスピーカーユニット固定にも使った64チタンネジを前にもお願いしたチタンショップGKさんに注文。

早々に送っていただき交換してみるとやはり適度な長さでしっかりと固定でき色合いもピッタリで気持ち良いです。

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そしてちょっとびっくりしたのは音が変わった事です。今回ワッシャーなど噛ませずダイレクトに固定したのもあるのかもしれませんが、パッと開けた感じというか明らかに音がクリアになりました。

見た目も良くなったし、これは大満足の交換でした。そんな感じで細々した事ぐらいしかやる事なくて、これで暫くは何にもする事無いかなと思っていたところ新たなる展開が・・・・

 

 

更に少しブラッシュアップ

アンプのレイアウトが決まったところで更にブラッシュアップを図ってこちらを導入。

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アンプに合わせた電源ケーブルを作った勢いで以前から少しづつ部品など集めて製作を進めていた電源タップを完成させることにしました。そしてそれに合わせて電源ケーブルも改良。

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それがこのベルデンの4口コンセントを使った電源タップ。コンセントはカナダのTake Five Audioでクライオ処理された物を使用。ベースは山桜の無垢材をくり抜いたものでケーブルはオヤイデ電気のEEE/F-S2.0 屋内配線を使いました。このケーブルを使用した理由は、このコンセント、ケーブルの接続方法が屋内配線用の単線を使用することが想定されていて、捻線のケーブルだとうまくいかない構造になっていたので単線のこちらのケーブルを採用。ただ、このケーブルが大変硬く、作るのにはちょっと苦労いたしました。

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電源プラグはデザインがとても気に入っているPass & Seymourの90度アングルタイプを使用。日本ではあまり有名では無いですが、ちゃんとホスピタルグレードのしっかりしたものです。ケーブルはアコースティックリバイブ製を使用。

 

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今回90度アングルタイプにした理由、こんな感じでケーブルのレイアウトがスッキリして気持ち良く収まりました。

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 そしてこれは気休めという感じですが、フレームにこんなこんなものを追加。

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オーディオ用鉛インゴットで有名なTGメタルの鉛粒、5Kgをラックのフレームに封入。
泣き止めになるかと期待しましたが、音を出しながらラックに触った感じそんなに効果はなかった模様・・・・
でも、まあ重量が増えて安定度は上がったと思いますので良しとします。
念のため前のコンセントタップと繋ぎ換えして比べてみましたが”すごい変わった!”というほどの変化は無かったですが、悪くも無いのでせっかく作ってレイアウトも綺麗に収まったこちらで行くことにしました。

これでパワー・アンプ周りの設定もひとまず終了でこれからじっくりイコライザーを試してみようと思います。